DVD Willem van Oranje (オランイェ公ウィレム)

世界的に興行される映画で、エリザベス一世を扱った映画はたくさんありますが、ウィレム一世を扱ったものは皆無と思われます。たぶん、脇役でも出てないような…?? なので、オランダ本国の作品で探してみました。もともと日本ほど時代劇が発達してないんでしょうか、とりあえずDVDとして入手できるものは下記の2つです。いずれも20ユーロ以下とお手ごろ。

ヨーロッパ製のDVDは日本とリージョンコードは同じですが、テレビシステムの違いでテレビでは観ることができません(PCでは可能なことが多いです)。リージョンと購入方法については、「洋書購入方法」参照。

DVD/映画”Willem van Oranje”(1934)

  • Cast: Vincent Berghegge; Cor Van der Lugt Melsert; Gerard Arbous; Helene Berthe
  • Director: Jan Teunissen
  • Language: Nederlands
  • Publisher: VSN
  • Publication place: Nederland
  • Publication date: 2008-04-17
  • Category: DVD’s / DVD / Drama

内容

1934年の映画。オランダ初の「公式」トーキーとのことで、もちろん白黒。撮影開始は前年の1933年。ちょうどウィレム一世生誕400年にあたり、また、当時の時代情勢から言って、国策映画的な側面もあったのかもしれません。約70分。オランダ語のみ。字幕なし。

鑑賞メモ

70分なので非常に駆け足です。たとえば最初にキャスト一覧が出るのですが、弟のルートヴィヒやらアドルフやらハインリヒやら、重要そうに書かれているにも関わらず、これだけで終わり?くらいな一瞬しか出てきません(しかも3人揃っての登場なので誰が誰だか)。字幕はありませんが、要所要所に解説の文章が出るのと、早足のうえに台詞も少なめなので、沈黙公の生涯を知っていれば映像だけでもそれが何のシーンか容易に想像がつきます。逆に知らないと、充分な説明がないところはまったく何してるかわからないかもしれません。

行軍シーンや略奪シーンなど、どうでもいいシーンに時間割いたりしてる印象も若干あります。が、当時の風俗の描きかたは素晴らしいです。エキストラの市民もたくさん使ってますし、レイデン解放のシーンで食べてるパンが巨大!とか、現代の我々が活字から当時を想像する助けになると思われるものがたくさんあります。

ちなみにデルフトのプリンセンホフ博物館では、ウィレム一世が暗殺された銃弾跡の前で、この作品の最後の3~5分くらいを繰り返し再生しています。(2014年の改装後にはモニターは無くなりました)。この暗殺シーンにはルイーズ・ド・コリニーとマウリッツも登場しています。ただし、史実ではマウリッツはこのときレイデンに居て、父親の死には立ち会っていません。

DVD/テレビドラマ”Willem van Oranje”(1984)

  • Cast: Ramses Shaffy; Hans Dagelet; Jeroen Krabbé; Linda van Dyck; Willem Nijholt;
  • André van den Heuvel
  • Director: Walter van der Kamp
  • Language: Nederlands, Vlaams
  • Publisher: VSN
  • Publication place: Nederland
  • Publication date: 2005-09-13(2009-7-01)
  • Category: DVD’s / DVD / TV

内容

オランダのテレビドラマシリーズを収録した3枚組DVD。460分(おまけのメイキング映像含む)。はっきりと作品紹介文内には書いてないのですが、コピーライトを見ると1984年の作品のようです。こちらはウィレム一世没後400年記念なのでしょう。オランダ語とフラマン語。字幕なし。2005年にDVD化してますが、管理人が購入したのは2009年発売の廉価版。

鑑賞メモ

とにかく長いので、まだ最後の1枚(2話分)しか観ていません。この終盤のハイライトは、『弁明』。ウィレムが延々と読み上げてくれます。映画版ほどではないにしても、人一人の生涯を描くには、やはりやや駆け足感があるのは仕方ないところでしょう(日本人は大河慣れしてますしね)。

メイキング映像でも衣装さんにインタビューがありましたが、衣装にはかなり凝っています。ウィレムは公式の場では必ず金羊毛騎士のペンダントをつけていますし、時代(年齢?)によって帽子も変わっていきます。アンジュー公以下、フランス人貴族たちが、みんな真っ白に金ぴか模様の服を着て、顔にも白粉と口紅を塗ったくり、ネイルアートまでしているのにはさすがに引きますが…。

ほかにも、細かいところも史実に忠実な印象です。「その時その場に実際に居た人間」が、映画版よりも忠実に描かれていると感じます。ただ、近年の映画ではその国の人にはその国の言葉を喋らせるものも増えてきているので、スペイン人もフランス人もオランダ語を話しているのがやや不自然な感じでした。

ウィレムが長女マリア以下、子供たちをずらっと並べて、「マウリッツ、ルイーゼ=ユリアナ、マリア=エリーザベト…」と順々に紹介していくシーンがなんだか微笑ましい。しかしマウリッツの髪型には時代(1980年代…なんかダイアナ妃っぽい)を感じます…。ルイーズ・ド・コリニーは超美人。ウィレムとの年齢差が際立って良い感じです。


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