サン・ファン・バウティスタ号(宮城・石巻)

管理人は仙台にUターンしたのですが、実は仙台藩は17世紀ヨーロッパと縁のある藩でもありました。

トリビア ナッサウ家」の記事にも書きましたが、仙台藩祖の伊達政宗は、メキシコとの貿易と宣教師の派遣の交渉のため、家臣の支倉常長を代表とした使節団をスペイン国王およびローマ法王のもとへ派遣します。あまり地元以外では知られていなかったこの「慶長遣欧使節」も、2015年3月に関連資料がユネスコ記憶遺産に登録され、若干人口に膾炙してきたのではないでしょうか。

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アマティ『伊達政宗遣欧使節記』 In Wikimedia Commons (CC-BY-SA-3.0)

使節一行はメキシコのアカプルコを経由し、スペインのセビーリャを経て、マドリードのフェリペ三世、ローマのパウルス五世と相次いで謁見しました。使節の出発は1613年、帰国は1620年。ちょうどオランダ=スペイン間では十二年休戦条約の真っただ中の期間にあたります。

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In Wikimedia Commons (public domain)

いま国内で17世紀前半の帆船のレプリカを見られるのは、おそらく石巻だけかと思います。その他仙台近辺で見られるものも追記しました。

※ 訪問記は2016-2017年時点の情報です。

サン・ファン・バウティスタ号(宮城・石巻)

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In Wikimedia Commons (public domain)

宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館) 公式サイト

一般: 350円 水~月: 9:30-16:30

日本で唯一の、17世紀ガレオン船の復元船を展示するミュージアムです。残念ながら、2016年11月に将来的な解体が決定され、現在は船内だけではなく、隣のドック棟にも立ち入ることができなくなりました。

復元船サン・ファン・バウティスタの乗船見学の中止について

このサン・ファン・バウティスタ号の復元船、当時の実際の船に近づけるため、宮城県内の材木を用い、地元の船大工が中心となって造られました。また、実際にメキシコのアカプルコとの間を往復航海しており、充分な航行能力を有していました。2011年の震災後にも一時期乗船展示を再開していましたが、2016年より立入禁止となっています。

企画展で販売されている関連ブックレット「夢を乗せた伊達の黒船」が激しくおすすめです! 味のある超ヘタウマな絵に似つかわしくない、震災後の新説など直近の研究内容も交えた専門的な(しかし子供にもわかるように書いてある)内容、そしてフェリペ三世についてもなんと1ページも割いてあったりします!

Q「フェリペ三世は立派な王様だったのですか?」
A「いえいえ、そうではなかったようです。…(後略)」

…切ない…。

企画展「政宗がサン・ファン・バウティスタ号に託した夢」

仙台市博物館(宮城・仙台)

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仙台市博物館 In Wikimedia Commons (public domain)

仙台市博物館 公式サイト

常設展 一般: 460円(企画展 一般: 1,200円) 火~日: 9:00-16:45
※ 平成29年10月7日から11月27日までは、特別展「伊達政宗―生誕450年記念」開催中のため、下記ユネスコ記憶遺産たちも常設展内ではなく特別展内での展示となります。

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ローマ市公民権証書(1615) In Wikimedia Commons (public domain)

収蔵品のうち支倉常長がヨーロッパから持ち帰った品々、計47点が2001年より国宝に指定(2015年以降は兼ユネスコ記憶遺産)されています。管理人が行ったときにはコレクション展示室IIにまとめて展示してありましたが、企画展等の内容によって展示場所は変わる可能性があります

慶長遣欧使節関連の国宝リスト

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ローマ教皇パウロ五世像(17世紀初頭) In Wikimedia Commons (public domain)

作者不詳のパウルス五世像。謁見が1615年なので、その前後の作品です。これも国宝です。

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こちらは「フェリペ三世のコレクションからもらったもの」あるいは「常長が政宗へのみやげとしてフィリピンで買ったもの」だそうで…(仙台市博物館サイトより)。説によって価値にだいぶ差がありそうです。いずれにしても、スリランカ製のものとインドネシア製のものとのことです。

中鉢美術館(宮城・岩出山)

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有備館駅 In Wikimedia Commons (CC-BY-SA-3.0)

中鉢美術館 公式サイト

一般: 500円 月~日: 9:00-17:00(3月-11月)、10:00-16:00(12月-2月)

陸羽東線有備館駅すぐ隣、有備館の向かいにあるアクセス抜群の美術館。管理人が訪問したのは震災前なのでだいぶ前です。その後、刀剣ブームがきてしまったので、おそらく今は日本刀メインで展示していると思いますが、所蔵品には火縄銃もあります。館長氏に丁寧に説明してもらい、所蔵品の火縄の実物も持たせてもらえました。レプリカではない本物を持たせてもらえる機会はそうそうないので嬉しかったですね。


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